「耐震等級3相当」の誤解
「耐力壁が建築基準法の1.5倍以上あるので耐震等級3相当です。」と言うのを耳にしますが、誤解している方が多いようです。
耐震等級3の基準は、建築基準法で想定する1.5倍の地震力に耐えられるということであり、単純に耐力壁の量が1.5倍ということではありません。(等級2の基準は、建築基準法で想定する1.25倍の地震力に耐えられるもの)
もちろん「耐震等級3相当です。」と言う言葉に騙す意図はないのでしょうが、1.5倍が耐力壁の量だと思い込んでおられるのだと思います。かく言う私もそう思い込んでいた内のひとりなんですが。
少々専門的な言い方になりますが、耐震等級3をクリアーするためには、耐力壁の量では私どもの富山県であれば、各階、各方向で建築基準法で定めるものの2.5~4.8倍にもなります。(建物により差があります。)
その他、偏心率の検討、接合金物のN値もしくは引抜力の計算はもちろんの事、建築基準法では定められていない水平構面の検討も必須です。
また積雪を含む建物の荷重に応じた、アンカーボルト・座金のサイズ・横架材・基礎構造・補強筋などスパン表での検討、もしくは許容応力度計算ですべてクリアーしなくてはいけません。
耐震等級3もしくは2をクリアーするために、何百ページにも及ぶ書類で根拠を示しております。
「耐震等級3相当です。」と簡単に言われるとちょっと悲しくなるのです。住宅取得を考えておられる方は頭
の片隅に入れておいてください。